クグロフ型でアレンジ自由【スパイシーなバナナクグロフ】

クグロフ型ってどんな形?

斜めにうねりの溝模様、焼いた時に真ん中が空洞になるように突起があり王冠のような形をしています。

イメージできるでしょうか。

その型で焼いたお菓子が「クグロフ」です。

ドライフルーツが入っていて、クリスマスシーズンになると洋菓子店やパン屋さんで見かけることが多くなります。

見たことあるけど、お菓子の名前は知らないって方は多いと思います。

私はクグロフの発祥地さえ知らずにクグロフ型を使用し、伝統的なクグロフのレシピとは全く違う【スパイシーなバナナクグロフ】を焼いています。

これをクグロフと読んでいいのかわかりませんがクグロフの形なので、ご理解くださいませ。

クグロフ型を使っているのに何も知識がないのはちょっと如何なものかと思い調べてみました。

クグロフは、オーストリア、ドイツ、スイス、フランスのアルザス地方の伝統菓子だそうです。

オーストリア・ウィーン風はバターケーキ生地でパウンドケーキに近い焼き菓子

フランス・アルザス風はイースト菌を使用しバターたっぷり*リッチな生地でブリオッシュ風の発酵菓子

*リッチ(Rich):コクのある。豊富な。という意味

今回、ご紹介するスパイシーなバナナクグロフは、オーストリアタイプの生地と言って良いでしょう。

クリスマスだけなんて出番が少なすぎる。クグロフ型を使いこなす

クグロフ型で焼いたお菓子は王冠のようで気品があり高さもあるので、その見栄えの美しさ、存在感は食卓を華やかに演出します。

お誕生日、ハロウィンやクリスマスなどパーティーにクグロフ型を使って手作りケーキで「おもてなし」はいかが。

贈り物にも喜ばれますよ!適当な大きさにカットして可愛くラッピングしても良し。ボリューミーで食べ応えがあります!

眠っているクグロフ型がある方は、活用しなきゃもったいない!

バナナじゃなくてもOK!【使い切れない野菜を無駄にしない】

私はフランス・アルザス風のイースト菌を使ったクグロフを作ったことはありません。

よく作るのはクグロフ型を使ったスパイシーなバナナクグロフと名付けたパウンドケーキに近い焼き菓子です。

きっかけは、英会話講師からクグロフ型で作る「スパイシーパンプキンケーキ」の英語レシピを渡され、読解してお菓子を作るという課題を与えられたのです。

当時、市販のパンプキンピューレは無く、硬いカボチャの皮をむき茹でて柔らかくしてピューレにするのは面倒でした。

家にあったバナナで代用したところ美味しく出来て、手間を省けて作れることから、パンプキンがバナナになったというわけです。

ご紹介するレシピは、カボチャでも美味しくできるということです。

パンプキンピューレを入手できたり、冷蔵庫の野菜室に使い切れずに放置しているカボチャがあるならピューレ状にして是非パンプキンバージョンも作ってみてくださいね。

ハロウィンシーズンには是非スパイシーパンプキンクグロフをお試しください。

ニンジンだって良い!スパイシーキャロットクグロフこれも絶対に美味しいはず。

野菜はお料理に使うだけではなくお菓子の材料にもなります。

冷蔵庫を覗いて余っているカボチャやニンジンがあったら、オシャレなお菓子に変身させましょう。

スパイシーなバナナクグロフの作り方

お菓子作りが初めての方や失敗したくない方へ。次項の「お菓子作りの基本【製菓理論】・材料の性質と役割」を読んで、知識を深めてから作りましょう。

スパイシーなバナナクグロフでは卵白をしっかり泡立てる必要があります。全部読むのは面倒という方は、鶏卵(全卵)油脂のところだけでも読んでくださいね。

上手に作れるけど製菓理論って何?と思った方もサラッと読んでください。

知識・理屈を身につけてお菓子を作れた方が、より良い仕上がりになると思います。

上手に作るためには必要です。私はこの製菓理論を知ったのは6年以上前のことです。

「もっと早く知っておきたかった!」

〔スパイシーなバナナクグロフの作り方〕

☆材料

・バナナピューレ      1カップ

(中バナナ2本と半分程をフォークでつぶす)

・小麦粉(薄力粉)              240g〜250g 

・砂糖(上白糖又は三温糖)240g

・常温の卵黄(Lサイズ)     4個分 

・常温の卵白(Lサイズ)     4個分

・無塩バター        180g

(ケーキ用マーガリンでもOK)

・塩              小さじ1/2

・カルダモンパウダー 小さじ1/2

・ナツメグパウダー  小さじ1/2

・ジンジャーパウダー 小さじ1/2

・シナモンパウダー  小さじ1と1/2

・ベーキングパウダー 小さじ1と1/2

・バニラエッセンス  少々

(無い場合は入れなくても大丈夫)

・粉糖        少々

(焼き上がり後の飾り用)

《計量スプーンがない場合は、ティースプーンで代用してください。小さじ1=5cc》

参考

*砂糖:”きび砂糖”に変えても美味しい。

*ベーキングパウダー:膨らみを助けたりするための添加物。炭酸ガスを発生する重曹が含まれた膨張剤

☆用意するもの

・クグロフ型(大)

・大きいボール3つ、小さいボール1つ

・泡立て器

・ハンドミキサー(電動泡立て器)

・ゴムベラ

・粉ふるい器

☆下準備

*作り始める前に道具を用意、材料は分量を測っておく。

*バターは室温に戻しておく。混ぜやすくするため。(室温のバターの見極めは、指で軽く押したときに指の跡が残る程度)

*常温または室温に戻した全卵を用意する。

*クグロフ型にサラダ油又はバターを塗り小麦粉(強力粉)をまぶしておく。《型から抜きやすくするため。》

☆作り方

1)小麦粉(薄力粉)、ベーキングパウダー、塩、シナモンパウダー、ジンジャーパウダー、ナツメグパウダー、カルダモンパウダーを一緒にふるいにかけながら大きいボールに入れる。

2)卵用に小さいボールと大きいボールを用意し、卵白と卵黄に分ける。卵黄は小さいボールへ、卵白は大きいボールへ入れる。

3)別の大きいボールにバターを入れ、クリーム状になるまで混ぜる。さらに砂糖を小分けに加えて、なめらかになるまでしっかりと混ぜる。

4)卵黄にバニラエッセンスを加え泡立てる。軽くボリュームがでて泡がふんわりとしたら3)へ3回に分けて加え混ぜる。

5)4)へバナナピューレを加え、なめらかになるまで混ぜる。

6)5)を1)の大きなボールに加え入れ、さっくりと切るように完全に全部を混ぜ合わせる。

*オーブンを予熱 ( 180度 )しておきましょう。

7)大きいボールに入れておいた卵白を角が立つまで泡立てる。

常温または室温に戻した卵白を泡立てるのがポイントです!英文のレシピでは、クリームタータを加えて泡立てると書いてありましたが、私は使用しておりません》

⚠︎ハンドミキサーを使用する際の注意点

・ボールにあてないこと。

・斜めにしないこと。立てるハンドミキサーを上から持つのではなく、側面を持つ立てやすい。(手立てする際は、斜めにしてOK)

・深いボールを使用すること。(卓上ミキサーも深いボールを使用。手立ての場合は浅いボールを使用すること。)

8)7)を全部混ぜ合わせた6)へ入れ、ヘラで優しく底からすくうように混ぜ合わせる。

9)クグロフ型に、たねを流し入れ表面を平らにする。

10)180度に予熱したオーブン下段へ9)を入れ、45〜50分焼く。竹串を刺して、たねが付かなければOK

《オーブンの機種によって焼き時間は異なります。途中でチェックし時間調整をしてください。》

11)焼き上がったら、オーブンから取り出し10分冷ます。型から抜き、ケーキクーラーに置き、さらに冷ます。

12)完全に冷めたら粉糖をふりかける。

《粉糖は溶けてしまう場合があるので、おもてなしする寸前にかけると良いでしょう。》

お菓子作りの基本【製菓理論】・ 材料の性質と役割

製菓理論を知ったのは、仕事旅行というサイトで 【パティシエールになる旅】をしたのがきっかけでした。

「ボンボンシエル〜そらのおやつ」le Bonbon de ciel ( 学芸大学駅(東京都)が最寄り駅)

こちらで半日体験をしました。

パティシエールであり製菓専門学校の講師をされているオカモト先生から、はじめて製菓理論という言葉を耳にし、後日、数時間の授業に通ったのです。

初歩的な事だけですが、私が学んだ知識を共有します。お菓子を上手に作るための参考にしていただけると幸いです。

【製菓理論】

1.甘味料

*上白糖とグラニュー糖の違い。砂糖の特徴

原材料はどちらもサトウキビやテンサイ

原料を加熱精製してショ糖(甘味を生み出す物質)ができる。

 ・上白糖:製造の最終工程でショ糖に転化糖(ブドウ糖と果糖に加水分解したもの)をまぶして製造したもの。しっとりしている。

焼き目は濃い。しっとり感アップ。クセのない甘さ。

グラニュー糖:ショ糖を細かい粒状に結晶させたもの。

焼き目は薄い。他の食材の邪魔をしない。スッキリと淡白な甘さ。

三温糖:茶色い色は上白糖やグラニュー糖を製造した後に残った糖液を加熱しカラメル化しただけ。ミネラルが豊富なわけではない。

特有の風味と強い甘さ。

2.粉類

*薄力粉と強力粉の違い。

薄力粉:軟質小麦(粉質小麦)タンパク質含有量7〜8%

クッキー、ケーキ等のお菓子に適している。

強力粉:硬質小麦(ガラス小麦)タンパク質含有量12%

パン、ピザに適している。

 ・米粉:でん粉(片栗粉、コーンスターチ)グルテンは作れない。粘りがない。

グルテンは、タンパク質の一種であるグルテニンとクリアジンが水を吸収し、こねることで絡み合ってできる。

グルテニンは弾力、グリアジンは粘りを出す。粉の状態ではグルテンが働いていない。水によってグルテンになる。

3.油脂

*バターとマーガリンの違い。

油・・・液体

脂肪・・固体

・バター:乳脂肪の塊=油脂の結晶体

溶けると結晶体を壊す。

溶かしバター(液体)とバター(固体)では出来上がりが変わる。溶かしバターはバターと別物になってしまう。

《火を使って柔らかくしないこと。溶かしバターになってしまうため。》

・マーガリン:フランス発祥、バターの代替え品、植物性油脂、風味をコントロールしている。

・ショートニング:アメリカ発祥、無味無臭の動植物性油脂

マーガリンとショートニングは液体から固体へ水素添加した油(硬化油)

・カカオバター:胚乳を集めたもの。

4.鶏卵(全卵)

*卵の性質、卵黄と卵白のそれぞれの違い。

・卵には3つの特性がある。

起泡性(空気を取り込んで泡立つ性質)

熱凝固性(熱を加えることで固まる性質 タンパク質→熱変性)

乳化性(水分と油分を均一に混ぜる性質)

・卵白・・・水分89%、タンパク質

◆卵白には、濃厚卵白と水様卵白がある。

泡立てる前に行うことは、それら2種類を《よく混ぜること=コシを切る→卵白液卵を作る》こと。

卵白液卵を作った後に泡立てることがポイント!

起泡性:

水様卵白:泡立てやすい。安定性悪い。

濃厚卵白:泡立てにくい。安定性良い。

安定性:

砂糖は、起泡性を壊す働きがある。よって砂糖は2〜3回に分けて入れる。

しっかり泡を立たせてから砂糖を入れること。(スパイシーなバナナクグロフでは卵白に砂糖を入れない。)

・卵黄・・・脂質63%、タンパク質、レシチン(脂質)

乳化作用・・・水と油のように本来混じり合わないものを細い粒状にして、うまく混ぜ合わせる作用がある。

ひとつの分子の中に「油を引きつける部分(親油基)」と「水を引きつける部分(親水基)」両方を併せ持っている。

《だから、脂のことを考えて全卵を常温または室温に戻しておくのだ。》

レシチン・・・乳化作用を持つ脂質の一種。油脂を細い油滴上にして液体の中に混ぜ込む作用を持つ。

Lサイズの全卵 60g = 卵白 40g + 卵黄 20g

オカモト先生は「人の体に入るものを作るという責任をしっかり感じてお菓子を作れる人」になって欲しいとおっしゃっています。

もっと詳しく製菓理論を学びたい方におすすめです!

ボンボンシエル【製菓理論】オカモトユミ先生「製菓理論オンライン20」

参考:

ボンボンシエル

仕事旅行

ホームパーティーや贈り物の定番にしたいクグロフ

おうち時間にクグロフを手作りして「おもてなし」なんていかが?

ホームパーティーや持ち寄りパーティーに見栄えの美しいクグロフは食卓を一気に華やかにします。

ブレンドした数種類のスパイスがほんのり香る大人なお菓子です。

愛情たっぷり、ずっしりとした重みのあるクグロフを一切れ食べればお腹も心も満たされます。

お好みでホイップクリームを添えても良いですね。

お誕生日、ハロウィンやクリスマスはもとより、ご自宅のおやつに手作りしてみてください。

スパイシーなバナナクグロフはクリームでデコレーションしないので、持ち運びに気を遣わず贈り物としても最適です。

ご紹介した【スパイシーなバナナクグロフ】が読者の皆様のお菓子作りの定番になってくれたら嬉しいです。

手作りの贈り物では相応しくないとき、何を贈ろうかと悩んだらギフト専門店があります!

移動時間無しでオンラインで探せるのは楽ですね。バナーをクリックするとご覧になれます。

アンティナ ギフトスタジオ

製菓理論に興味が湧いた方、自分のお店を持ちたい方へ

製菓理論を詳しく学んで将来はお菓子屋さんになりたい!お菓子作りを極めたい方にオススメです。

【ボンボンシエル【製菓理論】オカモトユミ先生「製菓理論オンライン20」】

「ボンボンシエル〜そらのおやつ」le Bonbon de ciel ( 学芸大学駅(東京都)が最寄り駅)

ボンボンシエル


お店を開業させるにはどうしたらいいの?現役でご活躍されている方にノウハウを聞きたい。現場の様子を実際に見てみたい。

そんな方へオススメは【仕事旅行】

実際にお店にお邪魔して体験してみると想像していた以上に苦労や働きがいなどを実感でき、店主や従業員になんでも質問して疑問を解消できるのは大変魅力的です。

お店を開業するには資金も必要で一歩踏み出す勇気がいるもの。

その前にプチ体験で自分に合うかどうか確かめることができ、誰かに背中を押してもらうための機会を得ることができる旅です。

仕事旅行

私は、実際に仕事旅行を通じて 「パティシエールになる旅」を半日体験しました。

そしてボンボンシエルのパティシエールであり製菓専門学校の講師をされているオカモト先生に出会い製菓理論を知りました。

絞りクッキーを焼き、袋詰め、製造年月日と原材料を記載したシールを貼る作業などを教えてもらいました。

更に、洋菓子店の現状や現場の苦労などをお伺いしました。

当時、公務員を辞めたくて、自分は何になりたいのか何をしたいのか「このまま公務員で終わりたくない」という思いでお菓子屋さんを体験し、将来の仕事の選択をするうえで大変役に立ちました。

個人でお菓子屋さんになる場合、趣味で作るお菓子作りとは違います。

製菓理論の知識はもちろんのこと、人の体に入るものを作るという責任をより意識する必要があります。

物件探しから始まり開業費用などを考えると私の場合は趣味のお菓子作りで十分だと認識したのです。

「なりたい自分探し。」をしている人は行動してください。

行動するとチャンスがあります。

きっかけを作れます。

人との出会いがあります。

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